小説を宣伝するためのサイトを作る　その5

著：柳井政和（小説 / Twitter）

　――小説を書いたら、より多くの人に読んでもらいたい。

　そのために、小説を宣伝するためのサイトを作り始めて、仮公開して2週間が経ちました。というわけで、そろそろ本公開にして、自由に「小説の紹介」を投稿できるようにします。

ノベル読もうよ
https://yomouyo.com/

• 小説を宣伝するためのサイトを作る　その1
• 小説を宣伝するためのサイトを作る　その2
• 小説を宣伝するためのサイトを作る　その3
• 小説を宣伝するためのサイトを作る　その4

　ちょうど本日、『文春オンライン』に『#電書ハック』の座談会のダイジェストが掲載されました。

• 10年後には紙の本ってなくなるの？　電子書籍の現在と未来――『＃電書ハック』配信記念#1
• 「本が売れない時代」の作家デビュー。どう売ればいいのか？――『＃電書ハック』配信記念#2

　フルバージョンは『文春books』に掲載されています。こちらは大ボリュームです。

• 10年後には紙の本ってなくなるの？　──『＃電書ハック』配信記念#1
• 〈本が売れない時代〉の作家デビュー──『＃電書ハック』配信記念#2
• AIに小説が書けるのか？　──『＃電書ハック』配信記念#3

　さて、当時のことを思い出してみます。座談会でも触れていますが、ちょうど『顔貌売人　ハッカー探偵 鹿敷堂桂馬』が出た頃、人事異動で担当がいなくなり、次の担当が付いたのが2ヶ月後でした。

　発売前後のタイミングで、誰も本を売っていなかったのです。それで「担当もいないのに売れるわけないよな。誰も売っていないんだし」ということがありました。とても面白い小説なのに。

　座談会のフルバージョンで詳細を語っているのですが、そうした体験と危機感があり、「電子の書籍編集部 V.S. 紙の書籍編集部」という内容の『#電書ハック』という小説を書きました。

　文藝春秋の電子書籍編集部を取材して、現状の出版社が抱えている様々な問題を織り込みました。商業の世界だけでなく、非商業のWeb小説の世界まで踏み込んでいます。是非読んでいただきたいです。

　そうした思いで書いた『#電書ハック』ですが、この小説を執筆したあとも危機感は続きました。そして、出版社に頼らない、作家主導の広報手段が必要だと思い、どういった形がよいのかを模索して「ノベル読もうよ」というサイトを立ち上げました。

　自分一人で何かをやっても、ムーブメントは小さいです。しかし「もっと小説を読んでもらいたい」という、私のような思いを抱える人は他にもいるはずです。

　そうした思いは、商業、非商業問わず、書き手なら誰もが持っているはず。ならば、互いに協力し合える場所があればよいのではないか？

　そうした思いを形にしたのが「ノベル読もうよ」というサイトです。

　まだまだ手探りですし、最初の一歩なので、正しい方向性なのか、効果的な内容なのかは分かりません。しかし、何かを始めなければ経験値も入らず、未来も見えてこない。というわけで、小さな一歩ですが取り組みを進めていきたいと思います。

　書いたり、読んだり、売ったり、広めたり――。今後も、小説に色々と関わっていきます。

　そして、自分自身の小説の仕事も増やしたい。仕事は常時募集中です。熱い人間がいるということで、一緒に仕事をしたい方は是非声をかけていただければと思います。

柳井政和の商業小説

『レトロゲームファクトリー』

　レトロゲームの移植を専門におこなう会社「レトロゲームファクトリー」。その社長「灰江田直樹」と、プログラマー「白野高義」の元に、大口の依頼が舞い込んだ。伝説的ファミコンゲーム「UGOコレクション」10本の復活プロジェクト。だが開発者は最後の作品の権利を買い取り、失踪していた。一体何故か。開発者はどこか。横取りを狙う大手企業を抑え、封印ゲームを復活させよ！

『ハッカー探偵 鹿敷堂桂馬』シリーズ

　プログラマー転職支援会社の社長、安藤裕美(あんどうひろみ)と、何でも屋のプログラマー鹿敷堂桂馬(かしきどうけいま)。熱血とクール、好対照の2人が、IT業界で起きた犯罪に挑むシリーズ。プログラマーの著者による、リアリズムで迫るIT系社会派ミステリ小説。

『#電書ハック』

　紙の本好きの文学少女が、電子書籍編集部に配属になった！　新入社員「春日枝折」は電子書籍の仕事を始める。そして、激動の電子書籍業界を体験し、そこで蠢く作家のテロに直面する。文学少女が編集者として一人立ちしていく姿を追いながら、変貌する出版界の明日を占うお仕事小説。