作成:2019-08-27 19:14   最終:2019-08-27 19:14

矢久勝基の脳内資料

著:矢久勝基(小説家になろう


 今月のお題は小説資料。一応今のところ、このサイト『小説読もうよ』での(自称)斬り込み隊長、矢久勝基が、この難題に挑んでみる。
 ……いや、難題でも何でもないのだが、通り一遍のことは書けても、興味深くて参考になりそうな記事にするとなると……。
 じゃあ無理して書くなと言われそうだが、まぁ、枯れ木も山の賑わいって奴で、ここが盛り上がるまでは、わたしのような者の記事もないよりはマシだろう。柳井さんが登場人物の名前について言及しているので、わたしもそれにあやかることにする。
 ちなみに、本気で登場人物の命名について参考にしたいなら参考にならないかもしれないので、娯楽として読んでいただくことをのみ期待しているよ?

 わたしはファンタジーを多く描く。命を賭けて生きる人間を描くのに、わたしにとって現代社会よりもよほどイメージが沸きやすいためだ。以前はファンタジーという分野を、どこか気恥ずかしく思っていたものだが、自分の人生におけるテーマを追求する題材として、何のしがらみもない世界で人が生き死を賭けられるこの分野は、一番適しているかもしれないと最近考えている。

 ファンタジーの登場人物の名前というのは、世界観にもよるものの、だいたい『日本人には聞き慣れない、だけど音に違和感がないもの』という条件がつく。
 それはとりもなおさず、異世界だからという理由なのだろう。こだわる人は長さの単位や重さの単位までオリジナルにしたりもする。ピンとこないことこの上ないので、わたしはメートル法を使うのだが……。

 要は音の響きだけで命名するため、オリジナリティかつセンスが求められる。
 「ワルキューレ」はよくても「ヨイキューレ」はねぇ……、とか、「みくりちゃん」はセーフでも「まくりちゃん」はアウトだろ……とか、異世界のわりに日本人の心は結構干渉するものだ。
 そういう架空の世界の架空の人物の名を考える場合、例えば「神話を資料にする」などの話を聞くが、正攻法は恐らく他のいろんな方が教えてくれるだろうから、思い切りキワモノな、わたしの命名発想法を記してみよう。
 ……繰り返すけど、娯楽として読んでね。約束だよ?

 それは……「横文字をいい加減に読め」だ。
 わたしは残念なことに、英語力が皆無だ。しかもそそっかしい。カタカナで「イセハラ」と書いてあった文字を「セクハラ」と読んだこともある。カタカナなんていうものは、ずらっと並んでいるのをさっと読み飛ばすと結構勘違いする。歌の歌詞を聴いてても、結構勘違いして聞いている。
 しかしそういう勘違いこそ、新たな発想として利用できるのだ。

 勘違いから生まれた登場人物名は数え切れない。分かりやすいところを数例、紹介してみると……。
 ウィルヘルミナという、オランダの女王様が歴史にはいる。第二次世界大戦を生きた方なので、そんなに昔の人物ではないのだが、わたしは長いこと、この女王の名前を「ウィルミヘナ」だと勘違いしていた。
 でも、その勘違いはオリジナルである。おかげで、とある物語では音を司る精霊「ウィルミヘナ」が誕生した。
 「nautilus」は、ノーチラスと読むそうだが、初見でわたしはこれを、「ナティオラス」と読んだ。
 おかげで、このサイト『小説読もうよ』で紹介されている自作品『破戒の海』に登場する「破戒の魔女」は「ナティオラス」という。
 ……いい名前かどうかは別だし、ことさらに例にしてしまうと「変な名前」と思ってしまうかもしれないが、一つの命名法であることは間違いない。そして、少なくともそういう勘違いによって生まれた登場人物が、インターネット検索で他の作品が引っかかたためしはない。誰も思いつかなかったオリジナルな名前の誕生というわけだ。

 これは命名に限らない。関連資料に限らず、さまざまな文章に触れて、それを斜め読みすることによって発想できるストーリーが、自分のオリジナルになったりする。
 ハッキリちゃっきり読み込んでしまうより、ちょっと疑問を残す程度にいい加減に読み、その部分を創造力で補うという方法(?)。しかし、それで発想が生まれるのだから、立派に"資料"と言えるだろう。
 評論を行うなら正しい知識を身につけておくことが大前提だが、こと自由な発想で世界を描けるファンタジーにおいて、現実世界の正しい知識や認識がいつも味方をしてくれるとは限らない。
 専門書や情報記事、歴史書、いずれも、しっかり読み込まないと実態が掴めないものは多々ある中で、あえて創造力を残せる程度にいい加減に読み、自分なりに解釈してしまう。
 ……そこから生まれる発想はオリジナルであるといえるのではないだろうか。

 一方で、わたしは他作家のファンタジー作品をほとんど読まない。
 同ジャンルはできる限りたくさん読めという方もおられるが、それらの作品に触れれば、気持ちが引っ張られる。すばらしい作品であればあるほどそうなりがちだし、「他作品を読みすぎて、そのいずれかに影響された物語を描いてしまう」ことは、『作品』として、「他作品を読まなかった事によって完成した作品が、他作品のどれかと似てしまう」ことより、問題だと思っている。
 賛否あるだろうが、わたしはそう思う。

 感覚的な部分が多いし、ファンタジージャンルの考え方だから参考にならない部分も多いかもしれないが、まぁ……
「娯楽として読んで!!」って言ったよね!?……約束したよね!?

 …………
 ……

 余談だが、昨今、日本人はとかく答えを求めすぎるきらいがある気がする。さっきも述べた通り、ジャンルによっては正確な情報は絶対だろう。しかし、その気になれば重力が逆を向くのもアリなのがファンタジーだ。
 ファンタジーの本当の資料は、作家自身の頭の中にある。その、ハマグリみたいに口を閉じた自分だけの発想を紐解くのに、世の事実や常識を正確に知ることばかりが肝要ではないというのが、わたしの考えだ。

*わたし、矢久勝基は当サイト『ノベル読もうよ』の活動を応援しています。
一アマチュア物描きの言葉なんて説得力も薄いとは思いますが、それでもこれらの原稿がサイトに花を添え、少しでも知名度上昇に貢献することを祈り、これからも最大限協力をしていくつもりです。


矢久勝基の作品

矢久 勝基
https://mypage.syosetu.com/505329/

 『小説家になろう』にいくつか作品を置いてます。
 コメディ、ファンタジー、恋愛モノ、新撰組(←ジャンルかよ……)など、現在は完結までアップされてないものもありますが、だいぶおなかいっぱい読めると思います。
 なお、このサイトで紹介した『破戒の海』は第七回ネット小説大賞の一次選考に通過しています。

破戒の海
https://ncode.syosetu.com/n0109eo/

 そして、その物語や、矢久というアマチュア作家に可能性を見い出せる方がいらっしゃいましたら、是非ともご連絡いただければ幸いです。
 お仕事の依頼とか泣いて喜びますが、応援の一言でも、とてもとても励みになりますので、プロになりたいアマチュア作家の矢久勝基をどうぞよろしくお願い申し上げます。

寄稿募集中。 現在の集中募集テーマは「執筆環境」「小説資料」です。

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