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作成:2019-05-30 15:29   最終:2019-05-30 15:29

小説を宣伝するためのサイトを作る その2

著:柳井政和(小説 / Twitter


 「小説を書いたら、より多くの人に読んでもらいたい」ということで、前回「小説を宣伝するためのサイトを作る」という話を書きました。そして、多くの人から反響をいただきました。ありがとうございます。

 前回は、勢いこんでいたこともあり、強い口調の文章で書きましたが、今回は柔らかい文章で書こうと思います。

 さて、「小説を宣伝するためのサイトを作る」という話を書いたあとに、何人かの人とやり取りして気付いたのですが、「小説を宣伝するためのサイト」=「小説投稿サイト」と思った人が少なからずいたようです。

 「広報」「広告」「ニュースリリース」――。

 私は前職で広報の仕事もしていました。そのため、こうした言葉や概念を意識せずに使っていました。しかしフィードバックを得て、「これは特殊知識なのだ」と思い至りました。言葉選びが悪かったと反省しています。

 というわけで解説を交えつつ、前回の話の続きをしたいと思います。

広告と広報

 企業が、自社やその製品を世に知らしめる方法は複数あります。その代表的なものが「広告」で、もう一つが「広報」です。この二つを分かりやすく説明するなら、「広告」がお金を払って他者に紹介してもらう活動、「広報」はお金を払わずに紹介してもらう活動です。

 「広告」では、雑誌やWebサイト、電車の吊り広告などの「広告枠」を買って、自社やその商品の宣伝をおこないます。これは、分かりやすい宣伝方法だと思います。

 もう一方の「広報」は、対価を伴わない露出方法です。

 たとえば資料を、新聞や雑誌といったメディアに送り、ニュースとして取り上げてもらう。資料には、どういった商品やサービスが出るのか、それが社会的にどういったインパクトを持つのかなどを書き、紹介用の画像や動画素材を添えたりします。

 こうした資料のことを、ニュースリリースやプレスリリースと言います。プレスリリースは、ニュースリリースのうち、プレス(報道機関)向けのものです。両者はほぼ同義に用いられます。

 メディアは、届いた資料の中から価値があると思うものを選び、ニュースとして読者や視聴者に届けます。

 広報活動は、発表資料の作成、送付だけではありません。たとえばボランティア活動を通して、自社やその製品を知ってもらう。自社で広報誌を作成することもあります。そうした多岐にわたる活動を通して、多くの人に情報を届けます。

ニュースリリース/プレスリリース

 ニュースリリースやプレスリリースは、広報活動でよく利用されるものです。新規性のある情報を簡潔にまとめた資料です。ニュースリリースは、自社のサイトに掲載したりもします。

 こうした資料は、昔は新聞や雑誌といったメディア向けに送っていました。ネット時代以降では、ニュースリリース専門の投稿サイトも存在します。「PR TIMES」などが有名です。

PR TIMES
https://prtimes.jp/

小説を宣伝するためのサイト

 こうした、広報、ニュースリリースの概念があった上で、「小説を宣伝するためのサイト」という考えがあります。

 小説を直接投稿するサイトではなく、「こういう小説があるから読んでね!」という情報を投稿できるサイトを作りたいわけです。

 ただ、通常の「ニュースリリース」を投稿する形は小説には合わないと思うので、「小説の紹介」を投稿するのが適切だと考えています。

 現状、新しい小説を発表あるいは発売した時に、その情報を告知する手段が限られています。そこを改善したいのです。

 村上春樹氏のようなベストセラー作家なら、新作を出すとなればニュースになります。しかし、そうでない作家が小説を出してもニュースになりません。そもそも、そうした情報は人目に触れることがありません。それじゃあどうするかというと「専門のメディアを自前で作ろう」となるわけです。

 企業が、自社でPR誌を作ったりするのは、マスメディアに頼らない、自前の広報手段を確保するためです。そうしたことを小説家同士でやりましょうというのがベースにあります。

 メディアがあれば、紙の小説だろうが、Webの小説だろうが、露出機会が作れます。その「場」は、紙の小説の書き手でもWeb小説の書き手でも利用できます。

 それと同時に、小説に関する記事や企画を寄稿する、ハブとなる場所にもしたいと考えています。

 小説の紹介だけ置いても、人が読みに来る理由にはならないです。なので、小説関連の記事や企画で集客して、小説の紹介もついでに見てもらおうという。そして、そこから興味を持ってもらい、本やWeb小説のリンクをたどって欲しいというわけです。

 記事は、あまり負担が掛からないものがよいと思っています。たとえば、複数人の作家にアンケートをとって執筆ソフトを聞くとか、そうした軽い特集がよいかなと考えています。あとは、サイバーミステリなら、その書き手数人で往復書簡を回して記事にするとかでしょうか。

 また、運営主導でない寄稿も受け付けたいと考えています。

 たとえば自分のWeb小説が「特殊な職業のお仕事小説」なら、「様々な職業のお仕事小説特集」という記事を寄稿して、自分の小説も「読んでみませんか?」と導線を作る。そういった記事の寄稿を受け付けたいわけです。

 内容については、「小説」という緩い縛りにして、やり方は自由にしてもらうつもりです。

 そうした、小説の宣伝や、関連する記事を投稿する場所が作れればと考えています。そして「場」が大きくなれば、検索流入が見込めます。作家がバラバラに活動しても効果が薄いので、「スクラムを組みませんか?」というわけです。

 出版社任せで「宣伝してくれない」とストレスを溜めるよりは、自分たち主導のメディアがあった方がよいだろうと考えています。また、自分のWeb小説に光を当てたい人にも有効だと思います。

賛同者の募集

 というわけで、活動に賛同を賛同を表明してくれる方は、賛同者の投稿をおこなえるページを用意したので登録してください。オープン時に、賛同者としてリンクを張りたいです。

小説を宣伝するサイト 賛同者登録
https://docs.google.com/forms/d/1xFVTOQH5bW8LDdYOus2HpQXMc8tOa4hWZFb7pNo8CUQ/edit

 賛同したからといって、何か義務が発生するとか、お金が必要とか、作業をしないといけないとかはないです。ただ、「小説の紹介」を投稿してもらえるとありがたいです。ある程度の規模にならないと、Googleの検索に引っかからないので。

主催者

 最後に、主催者について書いておきます。「お前、誰だよ」という方も多いと思いますので。柳井政和という名前です。横浜でクロノス・クラウン合同会社という会社の代表をしています。ソフトを作ったり、ゲームを作ったり、本を書いたりしています。

クロノス・クラウン合同会社
https://crocro.com/

 私は2016年に『裏切りのプログラム ハッカー探偵 鹿敷堂桂馬』で文藝春秋から小説家としてデビューしました。第23回松本清張賞の最終候補作を改題したものです。

裏切りのプログラム ハッカー探偵 鹿敷堂桂馬
https://amzn.to/2HCnK9s

 近著は、新潮社の『レトロゲームファクトリー』です。というわけで、私の本も是非読んで下さいね。

レトロゲームファクトリー
https://amzn.to/2T4frqR

(続く……。)

小説を宣伝するためのサイトを作る その3

(この文章は、noteに投稿した文章を修正して再投稿したものです)


柳井政和の商業小説

『レトロゲームファクトリー』

 レトロゲームの移植を専門におこなう会社「レトロゲームファクトリー」。その社長「灰江田直樹」と、プログラマー「白野高義」の元に、大口の依頼が舞い込んだ。伝説的ファミコンゲーム「UGOコレクション」10本の復活プロジェクト。だが開発者は最後の作品の権利を買い取り、失踪していた。一体何故か。開発者はどこか。横取りを狙う大手企業を抑え、封印ゲームを復活させよ!

書影


『ハッカー探偵 鹿敷堂桂馬』シリーズ

 プログラマー転職支援会社の社長、安藤裕美(あんどうひろみ)と、何でも屋のプログラマー鹿敷堂桂馬(かしきどうけいま)。熱血とクール、好対照の2人が、IT業界で起きた犯罪に挑むシリーズ。プログラマーの著者による、リアリズムで迫るIT系社会派ミステリ小説。

書影 書影


『#電書ハック』

 紙の本好きの文学少女が、電子書籍編集部に配属になった! 新入社員「春日枝折」は電子書籍の仕事を始める。そして、激動の電子書籍業界を体験し、そこで蠢く作家のテロに直面する。文学少女が編集者として一人立ちしていく姿を追いながら、変貌する出版界の明日を占うお仕事小説。

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