都内で警備員をしている僕、成瀬川るるせには、風変わりな友人がいる。
名前は蘆屋アシェラ。
彼は世田谷区にある蘆花公園の近くで蘆屋探偵事務所という事務所を構えている、腕利きの〈探偵〉だ。
それだけでなく、彼にはもうひとつの顔がある。
その顔は〈陰陽師〉だ。
探偵としての活躍と陰陽師としての活躍。
二つの顔を持つ彼には、難事件が舞い込む。
僕は舞い込む怪異譚と刑事事件を遠くで見つめるつもりが、いつも巻き込まれてしまう。
いや、僕の方が〈探偵を巻き込んでいる〉のかもしれない。
そんな僕らが遭遇した不思議な事件を集めたのが、この小説だ。