幽玄、伝奇、郷愁の3本立て。 欲望の果てにあるものは、化身、消滅、探求。
「野村くん、あの店には身長2メートルくらいの女の子はいなかったかね?」
渓流釣りが趣味の池内は、山奥で巨大な女が全裸で踊っている姿を見てしまう。
それ以後、度し難い欲望が池内の中に生じていた。
後輩に連れられて行った、ウォーターパラダイスというハレンチな店に、その女がいた。
「かぐや姫、ひとつになりましょうぞ……我の中で」
かぐや姫の願いを叶えるため、燕の子安貝を取ろうとして重傷を負った石上中納言のもとに、見知らぬ女が現れる。
女が置いていった薬を飲んだ中納言は、生ける屍人と化し、かぐや姫の元に思いを遂げようと向かう。
屍人を増やしながら襲いかかる中納言。
かぐや姫の運命は。
「あいつのせいで、ここは狂った」
中学生のとき、童貞を捧げた孤独な少女、彩。
15年後、当時と変わらない姿の彩を、雑踏の中に見つけ出す。
行方の判らなくなっていた彩を探しに故郷に帰ると、待っていたのは彩と故郷の知らない姿だった。