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「富島健夫」の書籍一覧
(最新発売日情報)
全14件 (2018/02/13 ~ 2019/02/12)
富島 健夫(とみしま たけお、冨島は本名、1931年10月25日 - 1998年2月5日)は、日本の小説家。
当時日本統治時代の朝鮮の京城府に生まれる。1945年敗戦とともに引揚げ、福岡県立豊津高等学校に学ぶ。1951年早稲田大学第一文学部仏文科入学。在学中に丹羽文雄の『文学者』同人となり、1952年同人誌第二次『街』を創刊、創作活動に入った。
1953年12月、『街』の代表として応募した『新潮』同人雑誌推薦特集に「喪家の狗」が掲載され、文壇にデビューする。同作は芥川龍之介賞の候補になった。卒業後、河出書房に勤務の傍ら、1956年に処女長編『黒い河』を同社より刊行する。1957年、河出書房の倒産を機会に、作家生活に入る。
『雪の記憶』『故郷の蝶』『七つの部屋』『恋と少年』などの純文学書下ろし長篇を発表後、1960年代からは青春小説、ジュニア小説に着手する。性の問題を回避して青春の文学は成立しないと主張し、それまでタブー視されていた10代の性の問題を正面から扱い、1969年『ジュニア文芸』(小学館)に連載された『おさな妻』はテレビや雑誌等で賛否両論を呼んだ。
1973年『初夜の海』を発表以後、作品は官能的な傾向を強め、1980年代には川上宗薫、宇能鴻一郎とともに“官能小説御三家”とも称せられた。大河長編に『女人追憶』がある。
自伝的長編に『青春の野望』(5部作)。エッセイ集も多数あり、1998年に66歳で没するまでに刊行された著書は800冊に及ぶ。1980年から翌1981年にかけて、各時代の代表作を集大成した『富島健夫小説選集』全22巻(実業之日本社)が刊行されている。
『黒い河』『雪の記憶』
『明日への握手』(映画「高校三年生」)、高橋惠子というスターを生んだ『おさな妻』、3本のにっかつロマンポルノと、1950年代から1980年代まで、それぞれの時代の代表作が安定して少なくとも12本映画化されている。
競艇ファンとしても知られ、1970年代から1980年代にかけて、関東地区競艇場開催の四大特別競走(現在のスペシャルグレード競走)優勝戦中継のゲストとして常時出演していた。
没後20年後の2018年に初めての伝記『「ジュニア」と「官能」の巨匠 富島健夫伝』(荒川佳洋著、河出書房新社)が刊行された。
富島健夫ライブラリー
花と戦車 光と闇
富島健夫 映画化作品リスト
引用元:
Wikipedia
2019/08/03
1. 女人追憶
富島健夫
/著
出版日 :
2019/02/12
出版社 : 小学館
ISBN : 9784093531207
華やかな真吾の女人探訪の旅が遂に完結! 母校の教師・進英子と郷里の料亭を訪れていた真吾は、客から逃げる若い仲居の虹子をかくまう。三人で枕を並べることになったその夜、虹子は子どもの時分から現在に至るまでの半生を語り出す。それは真吾にとって、刺激的で、じつに興味深い物語であった。戦後、小学高等科を中退、子守として奉公に出された虹子。奉公先には二つ年上のお嬢さん・律子がいたが、彼女は進んだ考えの持ち主で、ある日、中学生の少年と初体験をする。律子から男女の営みについていろいろと聞くようになった虹子は、少年との逢い引きの場に同行したり、律子のさらなる経験のために幼なじみで熟練者の次郎兵を引き合わせたり、何かと協力をする。次郎兵によって、性に開花していく律子。律子をはじめ、さまざまな男女の行為を見聞きし、次郎兵からも「もう少し大きくなったら」と誘われていた虹子は、自らの成長を心待ちにするが、奉公を終えた虹子の人生は思いもよらぬ方向へと転がるのだった。戦中戦後、愛と性に目覚めた少年時代から模索し続けてきた宮崎真吾の女人探訪の旅。その行き着く先は? 青春大河ロマン、完結編!
2. 女人追憶
富島健夫
/著
出版日 :
2019/02/12
出版社 : 小学館
ISBN : 9784093531191
故郷で耳にする友人たちの衝撃の性愛模様 瀬戸内の島で予定外のアバンチュールを楽しんだ真吾。そのまま帰省し、恋人・妙子と久しぶりに再会するや、改めて故郷に帰ってきたことを実感、さらに、いろいろな女性と遊んではいてもやはり愛しているのは妙子だけであることを確信する。そんな折、高校の同級生の安希子が家を訪ねてくる。見合い結婚をした安希子は、ひと月も経たぬうちに出戻ってきていた。誘われるまま二年ぶりに彼女の家を訪ねた真吾は、離婚の真相を聞く。安希子は個性の強い女だが、かつて彼女を女にしたのは自分であり、どんな状況にあっても真吾にとっては可愛い不良少女なのであった。一方、母校の教師・進英子と会う約束をしていた真吾は、こちらも同級生である友人の江藤を連れていくことにする。卒業前に母親が倒れ、看病のために大学受験ができなかった江藤の生活は、母亡き後も荒んでいた。教師の英子から彼に何か助言をしてもらえればと考えたのだ。料亭を兼ねた旅館で、英子と真吾は、江藤の現況、さらにその女性体験談に耳を傾ける。
3. 女人追憶
富島健夫
/著
出版日 :
2018/12/10
出版社 : 小学館
ISBN : 9784093531184
夏の島へ――旅先は淫らなアバンチュール 昭和荘に移った真吾の周辺には、つねに多くのドラマが発生し、騒動が起こっていた。同じ階の金杉の恋人あゆ子や、階下の人妻・時江から誘惑されるもなんとか逃れ、改めて東京にはいろいろな人間がいることを実感するとともに、その刺激を面白くも思うのだった。部屋には、かつての下宿先の未亡人ちえや東京での性のパートナー明美も訪れたが、ついにはちえの娘で中学一年生の雪子も遊びに来ることに。雪子を欲望の世界に導いてしまったことを悔やんでいる真吾は無難に切り抜けようとするが、雪子は部屋で二人きりになることを望む。雪子の積極性にある痛々しさを覚えながらも、その青い果実に情欲をそそられてしまうのであった。そしてまた夏――。郷里に帰る真吾は駅で同級生の岡本と偶然一緒になり、車内では相席となった男女と話がはずむ。男はブローカーで、女は夏休み明けからある商売に身を投ずるという春絵。彼女に誘われて、二人はその実家がある瀬戸内の島に立ち寄るため途中下車をする。島では若い未亡人のあまりある接待や春絵の情熱的な誘惑、そして広島から来ていた女性三人組との濃厚なアバンチュールが待っていた。
4. 女人追憶
富島健夫
/著
出版日 :
2018/12/10
出版社 : 小学館
ISBN : 9784093531177
女人探訪の旅、新章へ。予測不能な男女の綾 大学三年生になった真吾は、同級生の宮本から自分が今住んでいるアパートの部屋を借りないかと持ちかけられる。なんでも宮本は、アルバイト先の事務員で人妻のセイ子と関係ができ、さらに、彼女から紹介された子持ちの未亡人・絢子とも深い仲になったという。そして、女所帯の絢子とその娘に情が移り、用心棒も兼ねて同居することを決めた宮本の話を、真吾は興味深く聞く。自身も下宿先の未亡人ちえと関係ができ、今後の逢い引きのためにも、また中学生になって女らしさを増してきたちえの娘・雪子と距離を置くためにも、その提案を受けることにする。引っ越しを済ませた真吾は、性の実験相手として始まり、今なお関係が続いている明美の存在をちえに明かす。アパートに住むということは、出入りが自由になる分、真吾が親しくしている女性たちが鉢合わせてしまう可能性があるため、先手を打ったのだ。ちえは、咎め立てることなく、理解を示す。新しい住まい、昭和荘にはいろいろな住人が住んでいた。真吾は引っ越し当日から早速、さまざまな男女間トラブルに巻き込まれることになる。
5. 女人追憶
富島健夫
/著
出版日 :
2018/10/10
出版社 : 小学館
ISBN : 9784093531160
芸者&情人とトリプルで織り成すエロスの宴 明美が他の男と関係した事実を受け入れた真吾は、これからも変わらず会うことを約束する。もともと肉体だけの関係ではあったが、郷里の恋人・妙子と離れている身を癒やしてくれるありがたい存在であり、たとえ恋人ではなくとも、ふたりの間には性愛から始まった愛情が築かれていたのだ。親密な関係になった下宿先の未亡人ちえは、姑たちの目も気にせず、あからさまに真吾に親切になる。女のいじらしさを感じる半面、内心多少とまどうほどに。そのちえと利用した旅館で知り合った芸者の松美から遊びに来るよう誘われた真吾は、金もない学生に声をかける彼女の真意をはかりかねる。多くの女人たちと交わってきた真吾だが、玄人の女性との交流は皆無。だが、未知の世界を覗いてみたい好奇心にかられた真吾は誘いに応じて訪ねていく。喜んだ松美は酒と料理でもてなし、彼女の往年のパトロン「いいさん」とその愛人の三人で一夜をともにした話を語り始めた。さらには当の「いいさん」まで呼びだして、かつてのようなエネルギッシュな状態にない「いいさん」を交え、三人によるエロティックな性の饗宴が繰り広げられることに――。
6. 女人追憶
富島健夫
/著
出版日 :
2018/10/10
出版社 : 小学館
ISBN : 9784093531153
下宿先の未亡人ちえと深まりゆく愛欲生活 夏休みを終えて東京に戻った真吾は、約束どおり下宿先の未亡人ちえと関係する。若くして夫を戦争で亡くし、義父母や娘に尽してきた古典的でつつましやかな女性、ちえ。性愛とは無縁の生活を送ってきた彼女に一時でも女の悦びを与えられたことを満足すると同時に、ちえの娘で小学生の雪子を幾度か性的戯れに導いてしまったことにうしろめたさを感じていた真吾は、人倫的にもうこれ以上純粋な少女を巻き込むことはできないと考えるのであった。だが、思春期に近づき真吾に恋心めいた感情を抱く雪子は、母と真吾の間の妖しい空気を感じ取る。そんなある日、東京での性のパートナーである女子大生の明美から、他の男と寝たことを告げられる。互いに遊びと割り切った関係であり、このところ真吾にのめり込みすぎる傾向にあった明美と別れるにはちょうどいい機会なのだが、なぜか真吾は胸の痛みを覚える。ふたりはいつも利用する旅館で話し合うが、そこに馴染みの仲居キクが妙なアルバイトの話を持ちかけてくる――。昭和が薫る青春官能ロマン、いよいよ佳境に突入!
7. 女人追憶 8
富島健夫
/著
出版日 :
2018/08/10
出版社 : 小学館
ISBN : 9784093531146
帰省列車で隣り合わせた人妻との危険な情事 夏休みの帰省を前に、下宿先の未亡人ちえに誘われて観劇に行った真吾。厳格な姑のもと貞淑な嫁に徹するちえの意図を測りかねるも、以前の電車内での一件もあり、何かが起こるのではと淡い期待もしていた。解放的な時間のなかで生き生きとしているちえに、はるか年上の女性ながら新鮮な魅力を感じる真吾。案の定、帰り道にひそやかな行為に興じたふたりは、続きは夏休み明けに、と「約束」する。その帰省のために乗った列車では、隣の席の女性・佳子と同郷であることがわかり、話がはずむ。人妻である佳子は、浮気をした夫と一時距離を置くため里帰りするところであった。長時間の乗車中、佳子は真吾としても驚きの大胆な行動に及ぶ。そしてふたりは、帰省先で改めて会うことを「約束」するのだった。故郷の恋人・妙子との関係は良好で、両家の親からも認められ、「婚約」の決意を新たにする真吾。そんな状況にあっても、以前関係した同級生の鈴子と、結婚してからも密会しようと「約束」をする。さまざまな女人たちとの「約束」、共に追い求める官能の世界。真吾の性的探訪の旅は果てなく続いていく。
8. 女人追憶 7
富島健夫
/著
出版日 :
2018/08/10
出版社 : 小学館
ISBN : 9784093531139
あらたに真吾に迫りくる未亡人の甘い誘惑 昭和二十六年春。大学二年生になった真吾はある朝電車内で、下宿先の未亡人ちえと一緒になる。すし詰め状態の車内で、偶然か故意か、ちえの手が真吾のからだの一部分に触れてきた。いつもの控えめで貞淑なちえからは考えられない行動に驚く真吾だが、前年の秋に彼女の娘・小学生の雪子にもそれを触らせたことがあり、なんとも刺激的な気持ちになるのであった。実験目的で始まった女子学生・明美との関係は続いていた。だが出発点から大きく逸脱し、今や明美は真吾に夢中になってしまっている模様。明美の友人の知子から、重荷になる前に何とかするよう忠告されるも、今度はその知子の誘惑に乗ってしまう。そんなある日、かつての下宿先の娘アキが訪ねてくる。交際している男の粗暴な振る舞いについて相談しにきたと言うが、強引で奔放な性格は変わっておらず、夜の神社で求めてくる。さらに、旅館で働く中年のキクや、下宿先の隣人・新妻の千賀からも好意を寄せられて――。己の好色性を自任する真吾の周辺はまさに春、さながら百花繚乱の様相を呈していた。
9. 女人追憶 6
富島健夫
/著
出版日 :
2018/06/13
出版社 : 小学館
ISBN : 9784093531108
性に奔放貪欲な女子大生との”危険な情事” 夏休みを終え東京に戻った真吾は、大学の構内で年上の明美と知り合う。文学部の三年で作家志望の明美は男性未経験であり、彼女の「女になる」という希望を叶えるため、ふたりは出会ったその日に旅館に向かう。小説に活かすためなのか、男と対等以上でありたいためなのか、教材である真吾や自身の変化までも理性的に観察し、随所で質問をする明美。自意識が強く、理屈っぽい明美に多少の疎ましさを感じるも、時折いじらしくなったり、可愛いことを言ったりするその振幅の大きさに、次第に魅力を感じるようになっていく。結局、一夜限りの関係のはずがその後も逢瀬はつづき、知識欲が旺盛な明美は、ついには旅館で働く中年のキクと真吾の交歓を見学したいと言い出す。一方、新しい下宿先では、大家の孫娘・小学五年の雪子が真吾に懐くようになり、向かいの部屋には新婚夫婦が越してくる。真吾は雪子に請われるままに“小さな戯れ”の共犯者になる。
10. 女人追憶 5
富島健夫
/著
出版日 :
2018/06/13
出版社 : 小学館
ISBN : 9784093531092
真夏の故郷を舞台にした熱いエロスの祭典 大学一年の夏休み、帰省した真吾は恋人・妙子と四か月ぶりにからだを交える。東京で他の女性と遊んでいる身としては多少のうしろめたさも覚えるが、「もっとも好ましいのはこのからだ」だと思い、またそう思うことによって浮気の罪は許されると、虫のいいことを考えるのであった。だが、行為の最中に妙子の口から発せられたのは「美津先生と、どっちがいい?」。高校三年時の真吾と、教師であった美津との関係を問う言葉だった。ごまかすことはできないと判断した真吾は美津との一時の関係を正直に話す。だが、意外にも妙子は真吾の背信を責めることはなく、今は結婚している美津の家へ一緒に行こうと提案するのだった。また、真吾は高校の同級生であった今井鈴子の訪問を受ける。在学中はあまり話をしたことがなかったが、封建的な家で窮屈に暮らす鈴子の内に性への憧れを感じ取った真吾は、夏のあいだ時々会うようになる。美津との再会、懐かしい顔が揃ったクラス会。故郷を舞台に繰り広げられる、エロス溢れる真夏の祭典。
11. 女人追憶 4
富島健夫
/著
出版日 :
2018/04/10
出版社 : 小学館
ISBN : 9784093531085
舞台は東京へ――都会で始まる新しい出会い 大学進学を機に上京した真吾は、賄い付き下宿・金沢荘に入居する。下宿先には一人娘で高校三年生のアキがいたが、真吾は高校の先輩で同室の小松原から、アキに気をつけるよう助言される。天性の好色女で、これまでに何人の下宿人と関係したかわからないのだという。案の定、真吾は誘惑されるが、冒険心から誘われるままにアキの部屋を訪ねるようになる。真吾に恋人がいることも承知しているアキは、プライドが高く自分を美化している向きもあったが、多くの東京の女学生にはない、あどけなさや幼稚さを残している少女でもあった。大学の講義への興味を失いはじめていた真吾は、アキに魅力を感じるようになっていく。アキのほうも夢中になり、他の男との関係を断つまでに。だが、金沢荘の古株で粗暴な今重がふたりの仲に疑いを持ったことから、事件が勃発する。一方で、金沢荘の下宿人たちの性生活は様々であった。とにかく一人を好む者、学生の特権を活かして女子大生に声をかけ下宿に連れ帰る者、娼婦にのめり込む者などなど。彼らから聞く体験談は、真吾にとって大層刺激的なものであった。
12. 女人追憶 3
富島健夫
/著
出版日 :
2018/04/10
出版社 : 小学館
ISBN : 9784093531078
女教師・美津と過ごす妖しい放課後の秘め事 昭和24年の春、真吾の通う高校は女学校と合併して共学になった。高校3年生となり、翌春に控えた卒業と大学入試が最重要事項ではあるものの、多くの男子学生と同様に、女生徒と縁ができることに仄かな期待も抱いていた。だが思いがけず、真吾の心をとらえたのは、女生徒ではなく新任教師の香原美津だった。ある日の放課後、野の道で偶然出会った美津と真吾は、急速に接近していく。社会人になった恋人・妙子への愛に変わりはなく、美津とは互いに“遊び”と割り切った関係ではあったが、これまでに出会った女性たちにはない、大学出のインテリ女性ならではの知的な雰囲気、成熟しきった女の魅力、そして欲望のままに肉体をぶつけてくる大胆さに、真吾はのめり込んでいく。教師と生徒であり、絶対に誰にも知られてはならないというスリルを味わいながら、二人は逢瀬を重ねる。一方、共学となった校内では、いくつもの恋の物語が生まれていた。秋も深まった頃、真吾はかつて一度だけ関係した女学生・安希子から意外な話を聞かされる。
13. 女人追憶 2
富島健夫
/著
出版日 :
2018/02/13
出版社 : 小学館
ISBN : 9784093531023
模索する大人への道。新たな官能の世界へ。 路子の“実験”に協力するかたちで初体験を済ませた真吾は、恋人である妙子とも結ばれ、妙子に一層の愛しさを募らせていく。 昭和二十三年、学制改正に伴い真吾は新制高校二年になり、妙子は女学校を卒業。妙子には卒業を機にいくつもの縁談が持ち込まれるようになる。 そんな折、戦時中に真吾に強烈な体験をさせた、いとこの千鶴が結婚することになり、家を訪ねてくる。“心にもからだにも、魔性の生きものを飼っているにちがいない”、千鶴は真吾を未経験者であると思い込み、自分が最初の女になりたいと思っていた。 念願を遂げた千鶴は、妙子と親密になるよう真吾に助言する。その後、ひょんなことから旧家の娘で出戻りの小菊と妖しい一夜を過ごすが、わずか六日後に小菊が出奔。さまざまな噂が飛び交うなか、ふいに戻ってきた小菊は、なぜか妙子に接近する。 新しい時代の到来とともに、押し寄せてくる「自由」の波。そんななか、大人への道を模索しつづける少年の愛と心。読む者を惹きつけて止まない、青春官能小説。
14. 女人追憶 1
富島健夫
/著
出版日 :
2018/02/13
出版社 : 小学館
ISBN : 9784093531016
少年の性の目覚めを描いた巨編が待望の復刊 小学五年の春、母の裸に女を感じた宮崎真吾。すでに性を意識することはあり、女体に対する興味もあったが、母への冒涜と思った真吾はその後も優等生でむじゃきなこどもを装いつづける。 時は戦時中。小学六年の秋に、友だちから自転車旅行に誘われた真吾は、その姉である良子から誘惑的な行為を受け、中学に入った夏には、女学校三年のいとこ千鶴とのエロチックな戯れに興じる。幼なじみでひとつ年上の妙子に恋心を抱きながら、性に目覚めていく真吾。 終戦を迎え、軍関係への道を断たれた中学二年の真吾は妙子に告白、ふたりはようやく恋仲になる。妙子との良好な関係の一方で、不良女学生の文江や遊女のみよ、汽車のなかで出会った女学生の路子など、さまざまな女性たちが、真吾を甘美な世界へと誘っていく。 戦中から戦後へ、時代や価値観が変わっていくなか、不変でありつづける、男と女、愛と性。その狭間で揺れ動きながらも、未知なる世界へ足を踏み入れていく少年の心情を丁寧に描く、青春大河ロマン待望の復活。
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