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作成:2019-08-05 22:31 最終:2019-08-05 22:31
文長ヒートマップ
1.0.0
一文の長さを元にして、文字の背景色を変えるツールです。文字数の長い文章は赤、少ない文章は青になります。
長い文章ばかりが続くと、読者は読みにくくなります。また、短い文章ばかりが続いても、読者は読みにくくなります。小説を書く時など、適度な長さで文章を書けているかを確認したい場合に利用します。
「文字数閾値」の値を変えることで、色を付ける比率を変えることができます。「中間1」より小さな文字数では青色になります。また、「中間2」より大きな文字数では赤色になります。「最小」以下では青固定、「最大」以上では赤固定になります。
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吾輩は猫である。名前はまだ無い。 どこで生れたかとんと見当がつかぬ。何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している。吾輩はここで始めて人間というものを見た。しかもあとで聞くとそれは書生という人間中で一番獰悪な種族であったそうだ。この書生というのは時々我々を捕つかまえて煮て食うという話である。しかしその当時は何という考もなかったから別段恐しいとも思わなかった。ただ彼の掌に載せられてスーと持ち上げられた時何だかフワフワした感じがあったばかりである。掌の上で少し落ちついて書生の顔を見たのがいわゆる人間というものの見始であろう。この時妙なものだと思った感じが今でも残っている。第一毛をもって装飾されべきはずの顔がつるつるしてまるで薬缶だ。その後猫にもだいぶ逢ったがこんな片輪には一度も出会わした事がない。のみならず顔の真中があまりに突起している。そうしてその穴の中から時々ぷうぷうと煙を吹く。どうも咽せぽくて実に弱った。これが人間の飲む煙草というものである事はようやくこの頃知った。 この書生の掌の裏でしばらくはよい心持に坐っておったが、しばらくすると非常な速力で運転し始めた。書生が動くのか自分だけが動くのか分らないが無暗に眼が廻る。胸が悪くなる。到底助からないと思っていると、どさりと音がして眼から火が出た。それまでは記憶しているがあとは何の事やらいくら考え出そうとしても分らない。 ふと気が付いて見ると書生はいない。たくさんおった兄弟が一疋も見えぬ。肝心の母親さえ姿を隠してしまった。その上今までの所とは違って無暗に明るい。眼を明いていられぬくらいだ。はてな何でも容子がおかしいと、のそのそ這い出して見ると非常に痛い。吾輩は藁の上から急に笹原の中へ棄てられたのである。 ようやくの思いで笹原を這い出すと向うに大きな池がある。吾輩は池の前に坐ってどうしたらよかろうと考えて見た。別にこれという分別も出ない。しばらくして泣いたら書生がまた迎に来てくれるかと考え付いた。ニャー、ニャーと試みにやって見たが誰も来ない。そのうち池の上をさらさらと風が渡って日が暮れかかる。腹が非常に減って来た。泣きたくても声が出ない。仕方がない、何でもよいから食物のある所まであるこうと決心をしてそろりそろりと池を左に廻り始めた。どうも非常に苦しい。そこを我慢して無理やりに這って行くとようやくの事で何となく人間臭い所へ出た。ここへ這入ったら、どうにかなると思って竹垣の崩れた穴から、とある邸内にもぐり込んだ。縁は不思議なもので、もしこの竹垣が破れていなかったなら、吾輩はついに路傍に餓死したかも知れんのである。一樹の蔭とはよく云いったものだ。この垣根の穴は今日に至るまで吾輩が隣家の三毛を訪問する時の通路になっている。さて邸へは忍び込んだもののこれから先どうして善いか分らない。そのうちに暗くなる、腹は減る、寒さは寒し、雨が降って来るという始末でもう一刻の猶予が出来なくなった。仕方がないからとにかく明るくて暖かそうな方へ方へとあるいて行く。今から考えるとその時はすでに家の内に這入っておったのだ。ここで吾輩は彼の書生以外の人間を再び見るべき機会に遭遇したのである。第一に逢ったのがおさんである。これは前の書生より一層乱暴な方で吾輩を見るや否やいきなり頸筋をつかんで表へ抛り出した。いやこれは駄目だと思ったから眼をねぶって運を天に任せていた。しかしひもじいのと寒いのにはどうしても我慢が出来ん。吾輩は再びおさんの隙すきを見て台所へ這はい上あがった。すると間もなくまた投げ出された。吾輩は投げ出されては這い上り、這い上っては投げ出され、何でも同じ事を四五遍繰り返したのを記憶している。その時におさんと云う者はつくづくいやになった。この間おさんの三馬を偸んでこの返報をしてやってから、やっと胸の痞えが下りた。吾輩が最後につまみ出されようとしたときに、この家うちの主人が騒々しい何だといいながら出て来た。下女は吾輩をぶら下げて主人の方へ向けてこの宿やどなしの小猫がいくら出しても出しても御台所へ上あがって来て困りますという。主人は鼻の下の黒い毛を撚りながら吾輩の顔をしばらく眺めておったが、やがてそんなら内へ置いてやれといったまま奥へ這入ってしまった。主人はあまり口を聞かぬ人と見えた。下女は口惜しそうに吾輩を台所へ抛り出した。かくして吾輩はついにこの家を自分の住家と極める事にしたのである。
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最小
中間1
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実行
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開発者:柳井政和
柳井政和の商業小説
是非読んで下さい。
『レトロゲームファクトリー』
:レトロゲーム移植会社のお仕事小説。
『ハッカー探偵 鹿敷堂桂馬』シリーズ
:リアルなIT系社会派ミステリ。
『裏切りのプログラム』
『顔貌売人』
『#電書ハック』
:電子書籍編集部のお仕事小説。
『小説推敲補助ソフト「Novel Supporter」』
で、さらに高度な推敲補助ができます。
開発履歴
2019-08-05
Ver 1.0.0
開発。
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ID:63
偽典・蘆屋探偵事務所録
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成人
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作者
成瀬川るるせ
概要
フォークロア、都市伝説や怪異譚。それに凶悪な犯罪や日常の謎。世の中にはミステリが溢れている。その中を泳ぐこの小説は、現代ファンタジーにしてダークファンタジーだ。どろどろした人間や、人間の意識が生み出した怪物たちの事件を、探偵は今日も解決していく。僕らは決して正義の味方ではない。時に残酷に、突き放しながら、事件に立ち向かう。さあ、今日も探偵事務所で珈琲を飲んだら、事件を解決しに行こう。
作成:2019-06-26 23:02
ID:75
海の記憶
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成人
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作者
龍淵灯
概要
田舎の中学生、春田は夏休みの登校日に見たことのない少女と出会う。無防備で無口なその少女を、春田は抱きしめてしまった。2学期が始まり、その少女が転校してくる。少女は古庄彩と名乗った。思いを寄せている幼なじみの、烏山あすかは彩のことが気に入らない。あすかの仕掛ける策略が、次々に混乱を呼び、ついに決定的な日が訪れる。少年と少女の危うい欲望を赤裸々に描く。
作成:2019-07-11 22:24
ID:110
官能小説家のヒミツ 〜恋人はイケメン幽霊!?〜
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作者
水田 歩
概要
官能小説家を目指す朱音の前に幽霊が現れた。切羽詰まっている彼女は、小説への指南を幽霊に仰ぐことに。そして、幽霊に官能も指南されて?きゅんと甘く、でもせつなく。何故か抱腹絶倒のラブコメディ!
作成:2020-03-27 21:31
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