全2件 (2023/04/21 ~ 2023/05/25)
出版社 : 中央公論新社
ISBN : 9784122073647
よい友とは、何をしてもよい。絶交してさえもよい。――
衝突と復縁を繰り返しながら、生涯にわたる友情を育んだ二人の作家。
表題作は、幼少期の出会いから「白樺」での文学修業に至る青春期までを辿った、里見弴幻の代表作。〈白樺派の青春群像を描いた重要文献〉にして、のちの『暗夜行路』成立にも多大な影響を与えた作品でありながら、最終回の原稿紛失事件により未完に。これまで文学全集でしか読むことはできず、文庫化は今回が初となる。
その他、「城の崎にて」で知られる志賀の山手線事故の顛末を記した「善心悪心」、鳥取・松江旅行の回想「世界一」「或る年の初夏に」など、若き志賀との交友に関する小説・随筆の主要作品を初めて一冊に。二大文豪の出発点をあらためて見直す文庫オリジナル。
〈巻末エッセイ〉麻井朝
【目次】
[小説]
君と私(1913)
善心悪心(1916)
世界一(1920)
或る年の初夏に(1917)
幸福人(1917)
失われた原稿(1916)
[随筆等]
春の水ぬるむが如くに(1924)
志賀君との交友記(1935)
弔辞(1971)
志賀君との間柄(1974)
出版社 : 中央公論新社
ISBN : 9784122073579
小津安二郎は里見弴の小説をよく読み、「映画のシナリオのねたに」し、「良き友」となった。原作と銘打たれた表題二作に加え、「晩春」を見た里見が「原作料の半額くらいは貰ってもよさそうだ」と小津をからかったという「縁談窶」など中短篇、さらに小津を追想したエッセイを収録。文庫オリジナル。
〈解説・武藤康史〉
目 次
Ⅰ
彼岸花(1958年)
秋日和(1960年)
Ⅱ 「晩春」をめぐって
縁談窶(1925年)
(参考)父と娘(広津和郎、1939年)
Ⅲ 「戸田家の兄妹」をめぐって
帽子(1937年)
アマカラ世界(1937年)
Ⅳ
弔辞「小津君よ、さやうなら」(1963年)
小津君と鎌倉と私(1964年)
芸の蟲(1972年)
解説 本当は「原作」とは言えないが…… 武藤康史