全6件 (2013/06/20 ~ 2019/12/25)
出版社 : 新潮社
ISBN : 9784101354859
三津谷咲良、結婚4年目の34歳。成功しない不妊治療に焦燥を感じ、大学講師の夫とは微妙な関係に。徳永多実、咲良の小学生時代の親友。恵まれた家庭に育った優等生の咲良と異なり、高校を1年で中退、パートで働くシングルマザー。二人が19年ぶりに再会し、止まっていた刻が再び動き始めたら──生まれも育ちも、そして住む世界も違う二人の女性の友情と葛藤と再生を描く、感動の文庫書下ろし。
出版社 : 小学館
ISBN : 9784094062830
言葉の迷宮と異境を体感する超感覚ミステリ
だめだ。ダサい。この文体は美学的に許せない――。
小説家の伊豆浜亮平は文体や言葉づかいに独自のこだわりを持っている。ただ、この5年間はヒット作にめぐまれず新作刊行の見通しも微妙で、3年前から始めた女性誌のライター業でなんとか食いつないでいた。世界的な天才ピアニスト荻須晶へのインタビュー取材をきっかけに、そんな小説家が出会ったのは、独特の話法で言葉を操る不思議な女だった。
初めて遭遇した場所は、軽井沢にある荻須晶の別荘近く。純白のワンピース姿で森の中を一人でさまよう彼女は、薄い唇を開いて確かにこう言った。
「社宅にヒきに行っている人とその恋人の方ですね。ラクゴはミています」
社宅にヒく? 引く? 牽く? だめだ、まるで意味がわからない――。
彼女の話す言葉にどんな意味があるのか、そもそも彼女はどうしてそんな話法を駆使しているのか。混乱する小説家をよそに、彼女の言葉はつづく。
「私はその中心を走っていたところです。将来、社宅で打ち合わせしますね」
言葉の迷宮をさまよう小説家は、やがて執筆中の小説の内容にも通底した“もうひとつの世界”に導かれてゆく。――著者真骨頂! 異境を体感する超感覚ミステリ長編!
【編集担当からのおすすめ情報】
SF、ミステリ、ファンタジー、恋愛小説などから、そういった既存のジャンルに割りふれない作品まで、著者の平山瑞穂さんは変幻自在に新作を発表しつづけていますが、おそらく本作は、主人公を小説家としたことで、平山さんの“素”の部分が最も作中に昇華されている、といえる作品です。主人公の伊豆浜亮平について、平山さんはインタビューでこう語っています。
「もし僕が結婚もしないでこの年まできたら、きっとこんな暮らしぶりなんだろうなあというのが伊豆浜なんです。その姿を書いたという意味で、もう一人の自分がいるパラレルワールドですね」
たくらみに満ちた意欲作です。平山瑞穂作品に親しい方はもちろん、そうでない方にも肌で感じとっていただきたい、きわめて小説的な体験がこの作品には潜んでいます。
出版社 : 新潮社
ISBN : 9784101354842
たとえ思い描いていた理想の姿と違っていても、今の自分も愛おしい。逃げたくなる自分の背中をそっと押してくれる、優しい物語。
出版社 : 小学館
ISBN : 9784093863827
「刺青のエンペラー」とよばれた男の一生!
1913年、ニューヨーク。ハドソン川で若い女性の死体が発見され、ニューヨーク市警は女の肩にヘビの絵柄とともに彫られていた「H・C」のイニシャルをもつ刺青家の捜索を開始する――
時は遡って1859年。駿河の下級武士の家に生まれた宮崎匡(のちの彫千代)は運命的に出会った刺青に心を奪われ、放浪の末、彫り師を志す。欧米人には「刺青のエンペラー」と称賛され世界にその名を轟かすまでになるが、遊女・お蓮との初恋は悲しく砕け散った。古風な実兄との確執、師匠からのいじめ、右目の失明……数々の苦難を乗り越えて、新しい時代の”美”を追求した彫千代を待ち受けていたのは、さらなる悲劇だった。
自由奔放でわがまま、しかし繊細で常に”小さき命”への慈しみを忘れなかった男、彫千代。かつてないほど人間臭い英雄が、守るべきもののために下した衝撃の決断とは――!?
いま最注目の実力派作家が実在の伝説的彫り師の生き様を描いた、感動の歴史エンタテインメント!!
【編集担当からのおすすめ情報】
『忘れないと誓ったぼくがいた』(2015年映画公開)、ロングセラー『あの日の僕らにさよなら』などで注目を集める著者の、初の歴史小説です。
出版社 : 祥伝社
ISBN : 9784396634360
出版社 : 文藝春秋
ISBN : 9784163822501
一見大人しく内心毒づきОLの皓乃の副業はエクソシスト。イケメン有能上司に振り回されっ放しの皓乃だったが、彼の本当の正体は…。