出版社 : 小学館
ISBN : 9784093863759
絆、再生、挑戦…圧倒的爽快感の人間ドラマ
芦原瑞穂(18歳)は地方競馬界にデビューした、数少ない女性騎手。敬愛する亡き父親への思慕から競馬界に身を投じた。だが、彼女の受け皿となったのは今にもつぶれそうな「藻屑の漂流先」と揶揄される寂れた弱小厩舎。そこにいる調教師、厩務員たちは皆それぞれが心に傷を抱え、人生をあきらめきったポンコツ集団だった。
弱小厩舎のため強い競走馬も持てず、さらなる嫌がらせを受け、困っていた矢先に出合った一頭の馬。虐待により心身共にボロボロだったこの馬も懸命な介護と歩み寄りにより、生まれ変わったかのような素晴らしい競走馬に変貌を遂げる。当初は廃業寸前だった厩舎も、瑞穂の真摯な努力と純粋な心、情熱から、徐々に皆の心は一つとなり、ついには夢のまた夢である狭き門、中央競馬の桜花賞を目指すまでになる。が、その行く手には様々な試練が待ち受ける。温かな絆でつながった彼らの運命は…?
偏見、セクハラ、虐待、裏切り、老い…。様々な理由から心に傷を抱え、人生をあきらめかけている人間達の起死回生ストーリー。人は何歳からでも成長できる、そして人生はやり直せる。すべての方々に読んでいただきたい、人生への応援歌となる1冊です。
【編集担当からのおすすめ情報】
もともと乗馬が趣味で馬が大好きな著者がみっちりと一年間かけて取材したからこそ可能になった臨場感溢れる競馬描写、馬好きだからこそ書ける馬への愛情溢れる目線…。
競馬にまったく興味がない人も、競馬好きも大満足の面白さ。そして何よりも、不器用で傷つきながらも懸命に生きる人間への、人生へのまっすぐな愛情が爽やかな感動を呼ぶヒューマンドラマの大傑作です。
読後の圧倒的爽快感を是非体感してみてください。
小説の力を感じるはずです。