出版社 : 集英社
ISBN : 9784086805346
家事代行サービスの会社で働く秋月都。ある日、都は急病のスタッフに代わり、北鎌倉に派遣されることに。辿りついたのは、家事代行どころか、住み込みの家政婦がいてもおかしくなさそうな大きなお屋敷。庭には枝垂れ花桃が咲き乱れ、猫が幸せそうに寝ころんでいる。和装の青年が都を出迎えるが、彼は羽鳥一成という名の若き和菓子職人で、このお屋敷は、彼の工房兼、住居だったのだ。一成の作る和菓子は見事な出来映えで、常連客も多い。人知れず、和菓子に苦い思い出のあった都だが、彼の作る和菓子に触れるうち、心の変化を自覚するようになりーー。日々鍛えた料理の腕で、羽鳥家の“定期契約プラン”を勝ち取った都は、いっとき閉店してしまっていた甘味処「ことりや茶房」の再開にも関わることになるが……?大丈夫。つまずいても、次の一歩を踏みだせるーー。『ゆきうさぎのお品書き』の小湊悠貴が贈る、あたたかでほっとする物語。