全10件 (2017/11/23 ~ 2021/03/26)
出版社 : ハーパーコリンズ・ジャパン
ISBN : 9784596412836
結婚の“無効”を望む夫を、
愛してはいけないでしょうか……。
アンは珍しい色の瞳をした美しき騎士リースに王宮で声をかけられ、
見知らぬ男性とはいえ、その魅力に抗えず言葉を交わした。
すると、それを見咎めたアンの異母兄がリースを負傷させてしまう。
事態を収めようと国王が命じたのはなんと、アンとリースの結婚。
会ったばかりで夫婦になるなんて! でも、王に逆らうことはできない。
それに、アンにとっては暴君の異母兄から逃れられるだけでなく、
超然として堂々たるリースの妻になると思うと、胸が高鳴るのだった。
ところが、そんなアンの乙女心を知ってか知らずか、
二人きりになると、リースが思いがけない策を打ち明けた。
「結婚したあとでも、床入りしなければ、結婚を無効にできる」
ヒストリカル・ロマンスの大御所マーガレット・ムーアの秀作をお贈りします! 花嫁に提案した秘策を、弟たちや友人にも説明したリースですが、いざアンとの結婚生活が始まると、みずからが思いついた計画と欲望とのあいだで板挟みになり……。
出版社 : ハーパーコリンズ・ジャパン
ISBN : 9784596591319
男たちは皆、麗しの姉を崇拝し、
日陰の妹を蔑んだ――あの騎士以外は。
国王の友人サー・ブライズが、美しい姉に求婚しにやってきたとき、
レベッカは純粋な好奇心から、門番に扮して彼を出迎えた。
少し言葉を交わしただけなのに、彼女の胸の奥は甘くうずいた。
その後、サー・ブライズは、晩餐の席にいる“門番”改め令嬢レベッカに、
そして白鳥のように麗しい彼女の姉の姿に、とても驚いた様子だった。
姉と違い、私のところへは誰も求婚しになんて来てくれない……。
せっかくサー・ブライズに踊りに誘われても、足が不自由なレベッカは
断るしかなかった。たまらず礼拝堂へ向かい、思わず切なさを吐露する。
「ああ、神さま。どうか私の頭から彼のことを消し去ってください!」
すると背後で音がし、人影が――サー・ブライズが、そこに立っていた。
サー・ブライズが囁くだけでたやすく女性を落とせると噂の騎士とは知らないレベッカですが、彼のとてつもない魅力を本能的に感じ取ります。彼がレベッカを蔑むことなく一人の人間として認めてくれたことで、想いは募るばかり。けれど、彼は姉の求婚者で……。
出版社 : ハーパーコリンズ・ジャパン
ISBN : 9784596589088
地味で冴えない“壁の花”を、
放蕩公爵がもてあそぶ――!
「キスをしたのは起こしてくれたお礼だ。魔が差した」
貴婦人の邸で話し相手をしているヘスターは、
美しい姉や妹とは違って、舞踏会ではいつも壁の花。
でもその日、“黒の公爵”とあだ名される、夫人の継息子
エイドリアンが帰還すると聞いて、少しそわそわしていた。
行く先々でスキャンダラスな出来事を巻き起こすという
放蕩者と悪名高き公爵は、くらくらするほど魅力的だったので、
ヘスターは夫人の忠告どおり、彼に近づかないことに決めた。
だがある日、ソファでうたたね中の公爵の苦しそうな声に気づいて
声をかけると――突然、唇を奪われてしまったのだ!
出版社 : ハーパーコリンズ・ジャパン
ISBN : 9784596586735
修道院の窓から覗く外の世界は、
自由だと思っていたのに……。
13年ものあいだ、つらい修道院暮らしをしてきたエリザベスは、
おじがもたらした縁談に心躍らせると同時に不安を覚えた。
食事もろくに与えられず、鞭で叩かれる生活からは逃れたいが、
縁談相手のカークヒーズ卿レイモンは、誰からも恐れられる騎士だった。
しかも、本来嫁ぐはずだった美人のいとこが逃げ出したため、
身代わりに差し出される不器量な自分が受け入れられるかはわからない。
修道院に戻りたくない一心で、エリザベスは彼に懇願した――
よく働く貞淑な妻になります、愛人を持ちたいなら文句は言いません、と。
すると、感情の読み取れない顔で、レイモンがおじに告げた。
「この女と結婚することにした」
レイモンは悪夢のような結婚から、二度と女を愛するつもりはないのですが、跡継ぎをもうける手段を得ることは悪い話ではありませんでした。一方、修道院にいる間、男性を目にしたことすらなかったエリザベスは、彼に触れられただけで心臓が激しく打ち……。
出版社 : ハーパーコリンズ・ジャパン
ISBN : 9784596583857
あまたの娘を泣かせた貴公子が
花嫁に選んだのは、男装の令嬢。
次期領主サー・ジョージは、常に娘たちの憧れで一番の花婿候補だった。
もともと目を引く美男子で、身なりにも気をつかい、
垢抜けた物腰と機知に富んだ会話で世の王侯貴族たちを魅了した。
その彼が父の死によって新領主となり、15年ぶりに故郷へ帰還した――
遺言に従い、隣の領主の一人娘アイリアスを娶ろうと心に決めて。
だが、いざ会った彼女は、男装で武芸に励むようなじゃじゃ馬!
しかもアイリアスは、洒落者の彼を軟弱な気取り屋と決めつける一方、
城に滞在している粗野で勇猛な友人を崇拝していた。
ところが、男たちが集う剣術の練習試合で彼女が目にしたのは、
憧れの友人をいとも軽々と倒す、ジョージのたくましい姿だった……。
ヒストリカルを牽引する名匠マーガレット・ムーアの秀作を初めてリバイバル! しぶしぶジョージとの結婚を承諾するアイリアスですが、およそ女らしくない新妻を完璧なレディに変えようと試みる夫に反発を覚え、初夜に一計を案じて……。波瀾万丈の恋絵巻!
出版社 : ハーパーコリンズ・ジャパン
ISBN : 9784596583819
初めて会った美貌の許婚は、
世にも傲慢不遜な領主だった。
領主サー・ロジェに嫁ぐマイナは、運悪く大嵐に見舞われ、
やっとのことで許婚の待つ城に到着した。
だが、彼女はずぶ濡れだというのに、ロジェは出迎えさえしないという。
それどころか、花嫁なぞ不要とばかりに始められた祝宴は既にたけなわ。
愕然とするマイナだったが、意を決して大広間に踏み入り、
奥の一段高い場所からこちらを見据える端整な顔の許婚を見つけた。
そして精いっぱい反抗的な挨拶をして、部屋に引き上げた。
するとしばらくして、ロジェがマイナの寝室を訪れ、
彼女の先ほどの態度を戒めるため、冷徹に釘を刺した。
「わたしの妻となる者に許されるのは、“服従”だけだ」
赤毛は嫌いと公言する傲慢なサー・ロジェ。一方、赤毛のマイナは、彼の予想に違わず芯の強い娘ですが、婚礼の前夜、彼女はロジェが初夜に関して談笑しているのを漏れ聞いてしまい……。すれ違いがすれ違いを呼ぶ波瀾万丈の愛の物語を初リバイバルでお届けします。
出版社 : ハーパーコリンズ・ジャパン
ISBN : 9784596332974
たった一夜の絆だったけれど、
隠しおおせるはずもなく……。
「こちらはデイトン公爵よ」
紹介された相手を見て、ヴェリティは激しく動揺した。
10年前、デイトン公爵は社交界で放蕩者の浮き名を流していた。
かねがね噂を聞いていたヴェリティの憧れの存在でもあった。
そう、あれは公爵とちょうど同じ屋敷に滞在していた日、
彼女が家の借金のために無理やり嫁がせられる直前のことだ。
最後の思い出にと切なる願いを胸に、公爵の寝室を訪れたのだった。
月日は流れたのに、彼は当時と変わらずハンサムで魅力的だ。
でも、あの秘密は絶対に知られてはいけない……。
彼女は髪色も顔立ちも彼に似た娘の手を引き、その場から逃げ出した。
ヴェリティはかつて意に染まぬ結婚を余儀なくされ、せめて一夜、憧れの人の腕に抱かれたいと思い余った行動に出たのでした。それから時が過ぎ、初めて会うにしては妙にヴェリティの娘と気が合うデイトン公爵。彼は逃げ出した母娘を追って、自宅に押しかけ……。
出版社 : ハーパーコリンズ・ジャパン
ISBN : 9784596917591
彼女の靄を引き裂き、最初の光となったのは――
13世紀、霧のノルマンに展開する容赦なき無慈悲な運命の渦……。
修道院に閉じ込められ、長らく世間と隔絶していたノルマン貴族の娘メアリア
ン。だが彼女はその、花をもあざむく美貌のせいで、兄の計略により、好色な
老人公爵に妻として今まさに献上されようとしていた。このままでは非情な兄
に利用され、操り人形になるだけ……。思いつめたメアリアンは、その夜、幽
閉されていた部屋を抜けだす。ところが、あと一歩のところで、男性の居丈高
な声が響き渡ったのだ。「君は誰だ?」顔を蒼白にして震えながら振り返ると、
あろうことか兄の客人、氏族長の子息アデアが眼光鋭く立ちはだかっていた。
出版社 : ハーパーコリンズ・ジャパン
ISBN : 9784596332783
持参金も、まともな服さえもない私に、
値打ちなんてあるはずがないけれど……。
屋敷と財産を賭博で失った父が蒸発し、シーアは独り取り残された。
父は最後にサー・デヴリンなる貴族を相手に大負けして、
彼女の花嫁持参金まで巻き上げられていた。
路頭に迷ったシーアは苦渋の選択でサー・デヴリンの館を訪れ、
切なる願いを申し出た――私をもらってください、と。
デヴリンは突如現れたみすぼらしい身なりの女性の言葉に驚きつつも、
理想の花婿と見るやつきまとってくる貪欲な令嬢たちを退けられ、
跡継ぎも手に入るなら好都合と、彼女の願いを叶えてやることにする。
半年前に見かけた瞬間から彼に恋していたシーアは舞い上がるが、
初夜を迎えた翌日から、夫は急に冷たく無口になってしまい……。
貧しい姿に隠されたシーアの魅力を見抜き、一度は彼女を妻としたデヴリンでしたが、思うところがあって婚姻無効の申請をしようと心に決めます。そうとは知らないシーアは、情熱的だった次の瞬間には冷たくなるという彼の気まぐれな態度に大いに翻弄されて……。
出版社 : ハーパーコリンズ・ジャパン
ISBN : 9784596332738
領主の姫君が、男爵の召使いに!
父の死を境に一転した乙女の運命――
ガブリエラはドゲール男爵一行の到着を待っていた。
伯爵である父はひと月前に亡くなり、彼女には借金だけが残された。
城と領地は没収され、今日ドゲール男爵に明け渡すことになっている。
でも、消息不明でまだ父の死も知らない兄が戻るまで、
わたしはなんとしてもこの城に残りたい。
一縷の望みを胸に、彼女はやがて到着した男爵に願いを伝えた。
すると、噂にたがわず冷酷な彼は、情け容赦なく言い放った。
「ここを出ていくか、召使いとして城に残るかだ!」
あまりのことに色を失うが、行くあても金もないガブリエラは、
悲痛な思いで召使いになる道を選んだ……。
ヒストリカルの大御所マーガレット・ムーアの名作! “悪魔の申し子”の異名をとる傲慢男爵と、父が遺した城を守りたいと願うけなげな乙女の物語。愛情表現を知らない男爵に振り回され傷つくヒロインの運命やいかに?