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「新田次郎」の書籍一覧(最新発売日情報)

全36件 (1974/08/12 ~ 2024/01/11)
 新田 次郎(にった じろう、本名:藤原 寛人(ふじわら ひろと)、1912年6月6日 - 1980年2月15日)は、日本の小説家、気象学者の一覧。無線電信講習所(現在の電気通信大学)卒業。
 
 長野県諏訪郡上諏訪町(現在の諏訪市)角間新田(かくましんでん)に藤原彦、りゑの次男として生まれる。ペンネームは“新田の次男坊”から(「しんでん」を「にった」と読み替え)。
 旧制諏訪中学校(現在の長野県諏訪清陵高等学校)・無線電信講習所本科(現在の電気通信大学の母体)・神田電機学校(現在の東京電機大学の母体)卒業。
 『八甲田山死の彷徨』など山岳小説の分野を拓く。登山好きの今上天皇徳仁が愛読する作家として知られる。
 1956年(昭和31年)『強力伝』で直木賞、1974年『武田信玄』等で吉川英治文学賞受賞。
 
 伯父(父の兄)に気象学者藤原咲平。妻藤原ていは作家。次男藤原正彦は数学者・エッセイスト。長女の咲子も、家族を書いた小説を発表している。父方のいとこ(叔母の長男)に、ハリウッド化粧品創業者の牛山清人。1880年(明治13年)創業で現在も続く新橋のすき焼き専門店「今朝(いまあさ)」は親戚で、父方の祖母ふくの弟・藤森勝三郎が初代(従兄)の養子となって跡を継いだ。
 
 初めての小説は、1942~45年の間に書かれたと思われる、藤原廣の筆名の自伝小説『山羊』で原稿用紙7枚。内容は、半生を振り返り抑留生活の辛さと、今後作家として活動していきたいという決意の表明となっている。
 帰国後は、伯父の咲平(気象の第一人者)が公職追放されるなど気象台自体が組織として混乱しており、気象台はバラック立てで隙間風が吹き抜ける状態で、給与も微々たる物で大変な困窮ぶりであった。1949年に、妻・ていの書いた『流れる星は生きている』がベストセラーになり映画化もされ、とても生活が助かったため、作家活動を考えるようになる。手始めにアルバイトとして、教科書の気象関係の執筆を引き受けたり、ジュブナイル小説『超成層圏の秘密』『狐火』などを著したりした。
 気象職員として最も知られている仕事に、富士山レーダー建設がある。これには、1959年の伊勢湾台風による被害の甚大さから、広範囲の雨雲を察知できるレーダー施設の設置要請を受け、無線ロボット雨量計で運輸大臣賞を受賞するなど、気象測量機の第一人者にして高山気象研究の専門として携わった。富士山気象レーダーは当時世界最高(高度)・世界最大であったため、同レーダーの完成後はそのノウハウを国際連合の気象学会で説明するなどの公務に明け暮れた。この時の体験を基にして書いた作品が、小説『富士山頂』である。小説の解説が、会計検査院の定期誌「会計と監査」に題材として連載された。またこの工事に関しては、日本放送協会の『プロジェクトX〜挑戦者たち〜』第1回で取り上げられた。
 1966年3月31日、文筆一本に絞るため気象庁を退職したが、この決意に至るまで、果たして作家業だけで食べてゆけるのか、6年後の定年まで待つべきか、など大変懊悩したという。また、退職に際しては気象庁から繰り返し強い慰留を受けたという。
 新田の小説は緻密で、小説構成表(年表のように縦軸と横軸を設定し、人物の流れを時系列に当てはめたもの)を先に作成してから執筆に取り掛かっていた。司馬遼太郎が新聞記者であった頃原稿執筆を依頼しに行ったが、依頼を受けることができない理由として勤務時間・執筆時間・病気になる可能性などをしっかりと並べて断ったと言われる。山岳小説、時代小説を問わず、現地取材を欠かすことはなかった。
 映画化された『八甲田山死の彷徨』や『聖職の碑』などに見るように、新田次郎の山岳や気象、地形に関するリアルな筆致は、他の作家の追随を許さない。また、大学山岳部関係者主体で極地法を重視した日本山岳会とは一線を画し、社会人を主体とするプロのクライマーを糾合して尖鋭的登山によるヒマラヤ8000メートル峰登頂をめざした第2次RCCに賛同し、マッターホルン北壁日本人初登頂の芳野満彦をモデルにした小説『栄光の岩壁』、アイガー北壁に挑んだ2人の日本人登山家の実名小説『アイガー北壁』を書くなど登山家との交流もあり、いわゆる「山岳小説家」の代表とされる。しかし、新田自身はそう呼ばれることを大変嫌っていた。むしろ歴史小説である『武田信玄』が最も気に入っており、続編である『武田勝頼』、さらには続々編『大久保長安』を執筆するほどの入れ込みようであったが、その執筆中に亡くなった。夫人のていも、自分の健康を顧みないほどの執筆態度をかなり心配していたが、不幸にも予感が的中した事になる。また大河ドラマで映像化される事を熱望していたが、生前に実現を見る事ができなかった。
 彼の作品は山岳小説をはじめとする「夢と挑戦」をコンセプトにしているが、題材として、歴史上の人物や科学者や技術者、また強い意志で道を切り開いた人物を描いた人物伝・公害やリゾート開発などに伴う問題を取り上げた作品・海外での経験を生かした作品・科学者としての作品などを多彩にとった。ビーナスラインに関して『霧の子孫たち』(旧制諏訪中学の一級先輩で考古学者の藤森栄一がモデル)に反対を示したことは、自然保護運動を盛り上げさせる契機となった。
 新田の急逝後には、スイス・ユングフラウ地方の自然を愛し何度も訪れていた思いを受け、アイガー、メンヒ、ユングフラウ三山を望むクライネ・シャイデック駅の裏手の丘に、墓碑(記念碑)が作られた。
 諏訪市図書館の2階には、新田次郎記念室というコーナーが設けられており、取材で山に登った時の遺品や、本人や家族の著作や蔵書が常設展示されている。生前の書斎も再現されている。
 また「お天気博士」として親しまれた、おじの藤原咲平記念室も併設されており、蔵書を中心に胸像・遺品・墨蹟などが常設展示されている。
引用元:Wikipedia 2019/08/03
出版日 : 2024/01/11
出版社 : 小学館
ISBN : 9784093524797

365年前の先祖の遺書をたどってマカオを訪れる表題作に、八甲田山雪中行軍の外伝「生き残りの勇士」、イギリス公使が外国人として初めて富士山頂に立った顛末「富士、異邦人登頂」など8篇を収録した遺作短篇集。
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出版日 : 2021/02/10
出版社 : 小学館
ISBN : 9784093524100

義妹・マリアが選ぶのは双子の兄か弟か? 名峰ドライチンネで遭難死したイタリア人ガイドの娘・マリアは、ガイドのバディーであった日本人・鳥羽省造の元に引き取られ、2歳上の双子・博、豊とともにすくすくと成長する。10歳だった少女は、双子と同じく山登りが大好きな美しい女性になり、やがて省造が勤める会社のマスコットガールを務めるまでに。一方、大学生になっていた博と豊は、マリアへの募る思いを抑えることができず、ほぼ同時に愛を打ち明ける。 ふたりのどちらかを選ぶことができないマリアは、タレント活動に没頭する日々を送るが、ある日、博と豊が北アルプスで遭難したという知らせを受けて――。 きょうだいだが恋愛も結婚もできるという微妙な関係にある3人が織りなす、山を背景とした濃厚な人間ドラマ。
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出版日 : 2019/03/07
出版社 : 小学館
ISBN : 9784093523615

山岳小説の白眉「強力伝」ほか4作の傑作選 男はなぜ180キロもある巨石を背負って白馬山頂を目指したのか……? 徹底的な取材に基づいて実在の人物像に迫り、この無謀な計画がもたらした悲劇と男の友情を描いて“山岳小説の白眉”と称された著者処女作「強力伝」(第34回直木賞受賞作)。 ほかに、極寒の富士山に挑む気象観測官の物語「凍傷」や、「春富士遭難」、「殉職」、「新雪なだれ」と、いずれも富士山を舞台に過酷な自然と闘う人間の壮絶なドラマを描く4作品で構成された[新田次郎山岳小説・傑作選]。登山家・今井通子氏による1995年当時の解説も再収録。
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出版日 : 2018/03/09
出版社 : 文藝春秋
ISBN : 9784167910365

日立市の象徴「大煙突」は、百年前にいかにして誕生したか。煙害撲滅で、住民との共存共栄を目指す企業。奇跡の実話を描く長篇。
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出版日 : 2017/06/15
出版社 : 講談社
ISBN : 9784062936767

霧ヶ峰高原北西の鷲ヶ峰に登った会社の同僚男女7人。山頂にあった石地蔵を盗んだ彼らを次々不審な死が襲う。全5編収録の異色短編集
出版日 : 2016/11/09
出版社 : 光文社
ISBN : 9784334773908
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出版日 : 2016/02/13
出版社 : 講談社
ISBN : 9784062933155

人妻・蓉子と大学助教授・伊村。偶然の邂逅から登山を通して急接近していく二人に冬山の猛威が襲いかかる。新田次郎の異色山岳小説
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出版日 : 2015/07/29
出版社 : 新潮社
ISBN : 9784101122304

北アルプス剣岳の雪渓。雪山という密室で起きた惨劇は、事故なのか、殺人なのか。予想が次々と覆される山岳ミステリの金字塔。
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新田次郎/著 藤原正彦/著
出版日 : 2015/05/08
出版社 : 文藝春秋
ISBN : 9784167903626

急逝した父・新田次郎の無念を晴らすべく、息子・藤原正彦が完成させた評伝。明治のポルトガル人モラエスが見た日本の美と誇りとは。
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出版日 : 2014/06/10
出版社 : 文藝春秋
ISBN : 9784167901226

天気予報を正確にするには富士山の観測所が必要だと厳冬の山頂に籠もる野中到と命がけで夫と行を共にした妻千代子の夫婦愛を描く。
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出版日 : 2014/01/04
出版社 : 文藝春秋
ISBN : 9784167112424

冬山の峻厳さを描く表題作のほか、「地獄への滑降」「遭難者」「遺書」「霧迷い」など、遭難を材にとった迫力溢れる山岳小説全十編。
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新田次郎/著 藤原正彦/著
出版日 : 2012/11/29
出版社 : 文藝春秋
ISBN : 9784163817408

父・新田次郎の未完の絶筆を息子・藤原正彦が書き継いだ。幕末のポルトガル人モラエスが見た日本人の美しさ、誇りとは? 感動の大作
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出版日 : 2012/06/08
出版社 : 文藝春秋
ISBN : 9784167112417

富士頂上に気象レーダーを設置せよ! 国家プロジェクトにのぞむ気象庁職員の苦闘を、新田自身の体験を元に描き出した傑作長篇
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出版日 : 2012/02/10
出版社 : 文藝春秋
ISBN : 9784167112400

童謡を歌うと雪崩で死ぬという言い伝えに反逆した、若者の悲劇を描いた表題作ほか5篇を収録。登山家の愛読書ともいうべき代表作
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出版日 : 2011/06/15
出版社 : 講談社
ISBN : 9784062769914
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出版日 : 2010/07/09
出版社 : 文藝春秋
ISBN : 9784167112394

貴重な高原植物の群生する霧ヶ峰に、突如として降りかかった道路計画。建設反対に立ち上がった地元有志たちの、あくなき闘いを描く
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出版日 : 2010/03/10
出版社 : 文藝春秋
ISBN : 9784167112387

妻殺しの呵責に苦しみつつ、未踏の槍ヶ岳の初登攀に成功した修行僧、播隆。罪を背負った男の苛烈な生き様を描いた長篇伝記小説
出版日 : 2009/09/15
出版社 : 講談社
ISBN : 9784062763875
出版日 : 2009/09/15
出版社 : 講談社
ISBN : 9784062763882
出版日 : 2009/09/15
出版社 : 講談社
ISBN : 9784062763868
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新田次郎/原著 山本甲士/著
出版日 : 2009/03/27
出版社 : 文藝春秋
ISBN : 9784163280608

明治40年、前人未到の劒岳に三角点を設置すべく初登頂に挑んだ男たちを描いた名作を、映画公開に先がけて読みやすくした〈新版〉
cover
出版日 : 2007/09/04
出版社 : 文藝春秋
ISBN : 9784167112370

大爆発で山の形が一変した富士山。被災農民の救済に奔走する関東郡代の前に立ちはだかる幕府官僚たち。著者会心の長篇時代小説
cover
出版日 : 2007/09/04
出版社 : 文藝春秋
ISBN : 9784167112363

大爆発で山の形が一変した富士山。被災農民の救済に奔走する関東郡代の前に立ちはだかる幕府官僚たち。著者会心の長篇時代小説
cover
出版日 : 2006/10/06
出版社 : 文藝春秋
ISBN : 9784167112356

天下に名を轟かせた甲斐の武田家。信虎、信玄、勝頼という三代の様々なエピソードから埋もれた真実が明らかになる時代小説短篇集
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出版日 : 2006/01/11
出版社 : 文藝春秋
ISBN : 9784167112349

日露戦争直後、北アルプス立山連峰の劒岳山頂に三角点埋設の命を受けた測量官・柴崎芳太郎たちの困難を極めた記録を描く山岳小説
cover
出版日 : 2005/05/10
出版社 : 文藝春秋
ISBN : 9784167112325

甲州・信州の全域をわがものとして、駿河も押さえた信玄は、上杉・北条と戦いつつもついに西上を決意。三河へと兵を進めた……
cover
出版日 : 2005/05/10
出版社 : 文藝春秋
ISBN : 9784167112332

甲州・信州の全域をわがものとして、駿河も押さえた信玄は、上杉・北条と戦いつつもついに西上を決意。三河へと兵を進めた……
cover
出版日 : 2005/04/08
出版社 : 文藝春秋
ISBN : 9784167112301

父・信虎を駿河に追放した武田信玄は、信濃に怒涛の進撃を始め、信濃を攻略する。天下統一を夢みる信玄は、京都に上ろうと志す
cover
出版日 : 2005/04/08
出版社 : 文藝春秋
ISBN : 9784167112318

父・信虎を駿河に追放した武田信玄は、信濃に怒涛の進撃を始め、信濃を攻略する。天下統一を夢みる信玄は、京都に上ろうと志す
cover
出版日 : 2004/05/11
出版社 : 文藝春秋
ISBN : 9784167112295

「富士山もの」の掉尾を飾る傑作。享保十八年、吉田口の岩穴で入定した行者・身禄の感動的な生涯を通じ、富士への想いを描いた長篇歴史小説
出版日 : 1983/02/10
出版社 : 文藝春秋
ISBN : 9784167112288

少年を轢き逃げしたあげく、自殺を思いたち、山に入ったところ、運命は意外な方向に展開する表題作のほか、「山靴」「危険な実験」など十四篇を収録した短篇集。(武蔵野次郎)
出版日 : 1979/05/29
出版社 : 新潮社
ISBN : 9784101122175
出版日 : 1978/11/09
出版社 : 文藝春秋
ISBN : 9784167112158

田畑の荒廃は金銭による補償では防げない。今から数十年の昔、日立鉱山の煙害絶滅のために企業と被害者の対立を超えて立ち上がった勇
出版日 : 1978/02/01
出版社 : 新潮社
ISBN : 9784101122144
出版日 : 1975/05/10
出版社 : 文藝春秋
ISBN : 9784167112066

天気予報を正確にするには、富士山頂に観測所が必要だ、との信念に燃えて厳冬の山頂にこもる野中到と、命を賭けて夫と行をともにした夫人の行動と心情を感動的に描く。(山本健吉)
出版日 : 1974/08/12
出版社 : 新潮社
ISBN : 9784101122052

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