水曜日の放課後、授業の終わりを知らせるチャイムが鳴るのと同時に、双石美月は教室を走り去ります。彼女の家の執事たちに捕まったら最後、偏食を克服するためのカウンセリングが待っているからです。
高校生にもなって好き嫌いを無くすための努力などしたくもないし、多少の好き嫌いがあっても死にはしないと考えていた彼女ですが、実際のところは、野菜や魚を一切食べない、お菓子とジャンクフードで空腹を満たすという、偏った食生活を日々送っているのでした。
彼女の生活を正したいと頭を悩ました執事は、部下たちを動員し、美月を捕まえようとします。そんな執事たちに辟易しながら、部室棟の裏手まで逃げ込む美月。 そこで彼女を待っていたのは、食欲をそそるパンの匂いと、眼鏡を掛けて読書に勤しむ若い女性教師、そしてエプロン姿の少年でした……。
サバサンド、ムサカ、ラグマン、生煎饅頭……。 日本人にはあまり馴染みのない外国の料理を取り上げつつ、学園ラブコメを交えた物語になっております。
美月たちの学園生活はもちろん、調理風景や料理の描写もイメージしやすいように努めておりますので、ご一読いただけると幸いです。
完結まではまだまだの作品ですが、ゆっくりお付き合いいだだければ嬉しいなと思っております。どうぞよろしくお願いいいたします。