山奥にある専門の更生施設へと収容された超能力者の少年、各務想介は、そこで出会った二人の友人、吾棟一希、木花美來とともに、平穏な日々を過ごしていた。
ある日、同じ施設の九人が宿舎に閉じ込められ、能力使用のための薬を三本ずつ与えられた上で、「己の価値を証明せよ」との指令が下される。
鍵のかかった室内で丸焦げの死体となって発見される。『金縛り』の能力者である想介は、真相を暴くため、『精神感応』の能力者である伴動奏子とタッグを組んで捜査を進める。
能力のリストのみが提示されている。
『精神感応』『意識誘導』『残留思念』『瞬間移動』『魅了』『念動力』『透視』『発火』『金縛り』
誰がどの能力者かはわかっていない。
能力の詳細、発動条件、効果範囲なども不明。
「ミステリに瞬間移動の能力者が登場したら密室の意味がなくなって面白いのでは?」という今思うと赤面ものの着想から始まり、構想を練っていった結果、当初思い描いていたおバカなミステリ風コメディとはまるで別物の作品に仕上がりました。
能力バトル風でもあり、ミステリ風でもあり、デスゲームチックでもありますが、「辛い運命に置かれた少年少女たちの魂の叫び」が主眼になっています。