人間に訪れる死という運命。ヤクシャの姫『死なずの君』の心臓を食らうことで、不死の力を得られると知った皇帝は、ヤクシャを襲撃し死なずの君を手に入れようと画策する。ヤクシャ達も懸命に抵抗するも、数の暴力を前に日に日に劣勢に立たされていく。
そんな戦に傭兵ノラン・ホーランドは参加していた。金のため、生活を送るためにヤクシャを殺していく。しかし、運悪く彼はヤクシャによって捕縛されてしまう。気がついた時にはヤクシャの村にある牢屋の中。死を覚悟したが、ヤクシャ達は一向に彼を殺そうとはしてこない。不審に思ったノランだったが、彼の疑問に答えるように、ヤクシャ達が思いがけない提案をしてくる。
『死なずの君』を連れて、帝国の手の届かないところに逃げてくれ。
命が取られずに済むならばと、ノランはこの提案を飲み死なずの君を連れて、村を出る。そのすぐ後、村は炎に包まれた。
人間の欲望。死への恐怖。永遠への憧憬。感情と欲望が渦巻くダークファンタジー。