出版社 : ポニーキャニオン
ISBN : 9784865290455
安達椋(あだちむく)は一つ年上の幼馴染の飯綱ふぶきの好意に気づきながらも、少年期に負った心の傷のため孤独な高校生活を送っていた。
そんな彼を襲う非日常。自分を「神」と名乗るブラドに「祝福」され、椋の身体を激痛が襲う。身を引き裂かれるような痛みの中、彼の肋骨から一人の少女が誕生する。
リリと名乗るその少女は、椋の「鎧骨少女(アーマラニマ)」であり、彼から産まれ、彼を護り、ふたたび彼に融合し一つになる存在だという。とまどう椋だが、ひたむにに椋を慕うリリに心を許しはじめる。そんな椋とリリを見るふぶきは、リリこそ椋の理想の相手であり、自分の好意が報われないことに深く絶望するのだった。
リリの誕生を期に襲ってくる怪異「天蛇」。椋はふぶきを護るため、リリに言われるまま彼女と融合し、戦いに赴くのだった。
それを椋に見捨てられたと誤解するふぶきにブラドが近づく。彼は目を伏せたまま、よく通る澄んだ声で言う。
「求めるなら君にも与えよう。鎧骨少年(アーマラニムス)と邂逅する時を」