全3件 (2014/02/18 ~ 2023/03/22)
出版社 : 下野新聞社
ISBN : 9784882868477
幾筋もの水流、丸い水玉、雫型のしたたり。
フーッと息を吐いて、松乃はのみを置いた。
―父への崇拝を胸に、のみを握り続けた女彫刻師の生涯。
出版社 : 下野新聞社
ISBN : 9784882867074
いざやゆかん さすらひて
薬屋敷の沙良
人形芝居の梢
巡礼行脚の千芹
三人の娘たちがさすらいの日々で求めたものは―
「漂泊」や「さすらひ」の語は、いかにも魅惑的です。
一所に常住せず、風の吹くままにさすらい歩く境涯は、
行路に斃れて野ざらしとなる不穏を抱きつつも、
束縛されない自由さと刻々の新鮮な驚きで人を引きつけてやみません。
日本にも古くから漂泊の暮らしを受け継いできた人々がいました。
さまざまな芸能集団や木地屋、薬売り、さらに山窩と呼称された人たち。
『さすらひ人綺譚』は、磐城国・岩代国、下野国を舞台に繰り広げられる、
さすらい人たちの不思議な物語です。
―著者
目次
蛇姫
鬼子母人形館
芹沢薄明
出版社 : 下野新聞社
ISBN : 9784882865353
「癩」に対する偏見が根強い、昭和28年春。栃木・小金井の一里塚の大榎の下に幼いわが子を置いて両親は去っていく。そして、二人が行き着いた先は国立療養所多磨全生園だった――。
「らい予防法闘争」などの事実を背景に描く、ハンセン病を患った両親と離れ離れになった男の子とその家族の、成長と苦悩の物語。